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【代表 COLUMN】 「コミュニケーション」 藤山邦子

今回はビジネスシーンにおける「コミュニケーション」について、拙著『ビジネスで大切なことはすべて小学校までに学んでいます』に記載の内容を引用し、お話ししたいと思います。

人と人とのコミュニケーションは、いったいどの段階から始まると思いますか?

私が企業研修などでこう質問すると、

「自分が相手を認識したときから始まる。なぜなら、自分が相手の存在に気づいて初めて双方向のやりとりが成立するから」

といった答えが返ってくることが多いのですが、それは間違いです。

答えは、「相手がこちらを認識したとき」。

つまり、相手がこちらを見ていたら、すぐにコミュニケーションは始まっているということになります。

こちらの姿を見た相手の心には、その姿や立ち居振る舞いから「元気でハツラツとしてそう」「何だか気が滅入ってそう」といったさまざまな感情や印象が生まれます。

それは声だけでも同じこと。物陰で話していた声のトーンや言葉遣いだけでも、「若々しい」とか「ガラが悪そう」といった印象を持たれることがあります。

こちらを認知した相手には、こちらが気づこうが気づくまいが、すでに印象という情報がインプットされている
ということになります。

そう考えれば、この段階でもう立派なコミュニケーションが成立しているということになるのです。

確かに、コミュニケーションというのは相手があってのもの。

しかし、双方向の意識のやりとりが始まる前から、すでに関係性は生まれています。

ビジネスシーンにおいて「相手から認識されることから始まるコミュニケーション」を意識することは非常に重要です。

これは全てのビジネスパーソンに当てはまります。

社員ひとりひとりの不用意な行動が、企業全体のイメージを左右することは少なくありません。

会社の社章をつけた社員がゴミのポイ捨てをしていたら、それを見た人は「あの人はマナーを知らない」だけでなく「あの会社はマナーを知らない会社」と無意識にイコールした印象になってしまいます。
逆に言えば、良い行動をすることは、良い会社というイメージにつながるということです。

自分は勤め先の看板を背負っている。自分の行動や言動が会社やお店の印象を左右する。
だから、いつどこで見られても恥ずかしくない振る舞いをする。
それはつまり、パブリックコンシャス、公共の意識を持つ、ということなのです。

いつでも、誰にでも、どこから見られても恥ずかしくないそうした心構えで仕事をする。
そうすることで、まだ見ぬお客様と「好印象」という情報から始まる良好なコミュニケーションを成立させることができます。
その結果が、結果として顧客満足や企業の成長へとつながっていくのですね。

CS指導研修を担当させていただいた、ある企業様は、こちらの原則を意識し業務に取り組んでくださいました。
上司部下間・社員間の関係良化につながり、結果としてお客様から接客対応をはじめ、サービスに対して大変満足をいただけました。

今回の内容は、拙著『ビジネスで大切なことはすべて小学校までに学んでいます』の第一章に記載しておりますので、ご参照くだされば幸いです。

藤山邦子